「断捨離」……への矛盾
今はまさに「断捨離」ブーム。
物をもつ、所有することを喜びだと思っていた時代から、
本当に必要なものだけに削ぎ落とし、愛おしむのを潔しとした現在へ。
内部的本質が、外へ滲み出てくる
そういったものが住まいへも反映される。
だから、皆、物を通して自分との見つめ直しをおこないたい、という欲求が出てくるのかもしれません。
自分を見つめ直す
それだからこそ、断捨離することに苦しく思うことがあります。
こんなに要らない物に囲まれた自分
必要不必要を分けられない自分
優柔不断な自分
処分できない未練がましい自分
目の当たりになる物的証拠。
渦巻く葛藤する感情。
私はこういう人間なんだな、と。
なんとか奮い立って捨てると、その瞬間、チクっと痛みを覚えるのです。
それは注射のような、一瞬痛いのだけれど、過ぎ去ればなんてことないのに、でもまたあの痛みがやってくると思うと怯んでしまうような。
すっきりした部屋に憧れを抱きつつも、生活感を感じさせない空間に、
私にはああはなれないと何処か諦めがついています。
青空は誰が見ても美しい。
でもどんより曇り空にも表情がある。
私にはまだまだ修行の道が続いています。